鉄バクテリアとは
地下水や浸透水に含まれる鉄(Fe2+)を酸化してFe3+にし,これによってエネルギーを得る微生物の総称です。鉄はFe3+になりますと,多くの場合,褐色の沈殿になります。
鉄バクテリアの一種 Leptothrix. spp.
- 鉄を酸化して得られるエネルギーはわずかですので,鉄バクテリア(鞘状のもの)のまわりには酸化鉄のフロック(褐色の物質)が集積する特徴があります。
- 水中に鉄(Fe2+)が含まれ,弱酸性で溶存酸素が少し欠乏する環境で生息しています。
- 鉄は,土壌中に含まれる元素のうち3番目に多い元素ですので,鉄バクテリアは世界中で普通に見られるバクテリアです。
水路底に堆積した鉄バクテリア集積物
- 地下水や浸透水の多い水路の底では,しばしばこのような赤褐色の鉄バクテリア集積物の堆積が見られます。
- 鉄バクテリア集積物にはリンが豊富に存在していますが,雨天時には濁水の原因となったり,パイプやポンプの詰まりの原因となるため,どちらかというと迷惑物質と認識されています。