基礎土壌コメント

全体

 記憶が求められるのは1くらい。あとは理解力を問うている。また,考える力があれば正答できてしまう問題も多い。講義全体を通じて中学,高校の知識がかなり基本になっていることがわかるだろうか。もしかしたら退屈な勉強をしてきた人もいるかもしれないが,応用が見えてきた時点でもう一度復習をされたい。

1.  特になし。

2.土壌に関わる実験をする上で基本的な事項。地域環境工学だけでなく,生態環境や農業生産でも必要になる計算である。固相率と気相率が難しいかもしれないが,重さから密度を知って体積を求めることは,練習問題を忘れていたとしても考える力があれば解答できる。単位を眺めているだけでも正当ができる。間隙率が1引く固相率だと気づかなかった人はちょっと残念。

3. 土壌水分特性曲線のD,Eの区別が今回の問題ではもっとも難しい。注目すべき点はマトリックポテンシャル-1000vmH2Oの時の保水性。粘土質土壌は粒径が細かいから間隙もそれに応じて小さい。このとき水を最も多く保持しているのが粘土質土壌と判断する。DE以外は正答率が高く,基本的なデータの見方はできているようである。

4.よく問われるタイプの問題。土壌物理を履修したならばこの程度は解けないと困る。いくつかあった例が計算途中でメモする数値が粗いために誤差が増大していってしまった人。何かについて式を解くときはぎりぎりまで文字で式変形をしていって,最後に数値を入れるようにする。また有効数字がわかっていないようである。専門に入ったときに実験で説明するので覚えてください。4で極端な間違いをした人は復習してください。透水係数が求められずに土壌物理を履修したとは言い難い。

5.土壌の熱的特性と水の熱的特性を比較しながら論述してある場合は高得点が与えてある。土だけまたは水だけなど片方だけの場合は説明に応じて加点した。キーは「土は水に比べて熱しやすく冷めやすい」ということがわかっているかどうか。