1.
@ 降雨,融雪または地表面流出水によって起こる土壌浸食の一形態。面状浸食が進んだ後のリル浸食,さらにその後,耕作によってはもはや修復不可能となったガリ浸食のこと。
A 窒素や硫黄分の多い燃料を燃やすと酸化窒素および酸化硫黄となって大気中に放出される。それらが大気中の水分と反応し,硝酸や硫酸となって雨や雪に含まれたもの。pHが低く酸性であるためこう呼ばれる。
B 塩類集積が発生した場所において,可溶性塩類を溶液の形で人為的に土壌から除去すること。土壌がナトリウム質化している場合には除塩によって土壌物理性が悪化することがあるのである程度の塩濃度を持ち,ナトリウム吸着比の小さい灌漑水を使用するなど注意が必要である。
C 一般に農地土壌は表層部分がもっとも肥沃で作物を育てる上で重要である。そのために開墾や区画整理の土工において地力の高い表土を作土として保存する工法のこと。工事の後ふたたび作土として使用する。
D Non Aqueous Phase Liquid 難水溶性有機溶媒。 水より軽いLNAPLにはベンゼン、トルエンなどの石油系芳香族炭化水素が該当する。水より重いDNAPLにはトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系脂肪族炭化水素(揮発性有機塩素化合物ともよばれる)がある。有機塩素化合物は炭素と塩素原子の共有結合が強いことに相当して空気中で安定で劣化が少なく,一度使用するとそのまま自然界に残って蓄積する問題がある。一般に、水に溶けにくく脂肪分にとけ込む性質があり、生物濃縮を起こしやすく、著しい毒性を示すものがある。
2.
降雨・土壌・斜面長・傾斜・作物・保全の各状態が土壌流亡に影響する。
長雨より一度に強く降る降雨,団粒や構造の発達が弱く分散性の土壌,斜面が長い農地,傾斜の大きい農地,受食性の作物が作付けされているとき,保全が正しくなされていない農地といった状態が土壌流亡を促進する。
傾斜を緩和する,斜面長を短くする,土壌に被覆(マルチ)を施すなど土木工学的に土壌流亡を防ぐことができる。また客土によって土壌の改良をすることもある程度可能である。これを包括的にまとめた土壌流亡予測式等というものも提案されている。
などなど,,,,
3.
降雨が少ない土地なので頻繁な耕耘により土壌が乾燥しやすくなる。また,頻繁に作物を作付,収穫した場合,土壌の栄養分が減少し,栄養分に乏しい土になる。土壌の団粒構造がもろくなるため土壌浸食を受けやすくなり,強風や豪雨によって表層土壌を失うことなる。また,失われた土壌の栄養分を補う際に化学肥料だけに頼ると,また,過剰に施肥をすると農地と地下水を汚染する場合がある。これがもし半乾燥地ならば灌漑方法を誤ると塩類集積を引き起こし,農地を放棄する結果になる。
4.
土壌がナトリウム質化していると考えられるのでカルシウムを含むナトリウム吸着比の小さい灌漑水でリーチングを行うのがよい。真水などでリーチングをした場合,塩濃度が下がって土壌が分散性になり,目詰まりを起こしたり,また除塩によって洗い流されたナトリウムが下方の土壌の物理性を悪化させたりする。
5.決められた正答はない。土壌汚染,農地汚染,地下水汚染について筋道の立った,理化学的な解説がなされていればよい。