2005基礎土壌物理学採点コメント

 

非常に易しい問題です.これ以上易しくすることは出来ない.レポート点を含んで平均点69.2点.

 

1.特にコメントはない.解答例の通り.固相率が計算できるのに間隙率が計算できない人は,この科目というより,ものごとの道理を考えるプロセスを磨く必要がある.

 

2.1間隙に水が入ったという解答をした人がだいぶいる.スポンジは水を含んだとき体積が増えるかい? 海岸の砂が膨潤したり、乾くと亀裂が入る現象を見たことがあるかい? 一方、水田では水分が減ると亀裂が入るね.膨潤するとは粘土の関わる特別な現象なのです.

2.2はイオン交換を説明してあればOK.ただし説明不足の人が大勢いる.粘土鉱物がマイナスに帯電していることを書かなければ陽イオン吸着を説明できない.その説明で他人が納得するか考えて欲しい.壁にメモを止めるためには磁石なりテープでとめる必要がある.「壁に紙をおいて,,,」では魔法になってしまうことはわかるね.4年間で具体的に,論理的に説明することに重要性を学んで下さい.

 

3.4が出来ない人は再履修候補だと思って下さい.マトリックポテンシャル,ダルシーの法則ともにかなりの時間と例題を使って講義しています.

ひとつだけ注意.土壌の水が勝手に吹き出てくることはない.逆に加圧する,減圧する,蒸発させるなど土壌から水をはがす努力をしないと土壌水は得られない.つまりマトリックポテンシャルは負であることに注意して下さい.