石井 将幸の研究テーマ
・地下ダム設計のための数値解析手法
地下ダムは地下水を貯留するために建設される施設で、止水壁や揚水井をはじめとする様々な施設からできています。自然の地下水の流れはほぼ水平ですが、止水壁を越える流れは他に見られないほぼ鉛直方向のものとなります。その他にも、地下水位の上昇に伴う地表湛水、多数の井戸の配置方法など、地下ダムを設計するためには普通の地下水解析とは異なった解析がいくつも必要になります。これらの地下ダム設計に特有な数値解析方法を開発し、地下水利用の高度化に役立てようとしています。
・地下水塩水化の調査と解析
海岸の近くでは、淡水である地下水の下に重い海水が入り込んでおり、地下水位が低下すると海水が上昇してくることが知られています。海水が井戸の取水深より浅くなってしまうと、井戸からくみ上げられた水に塩分が混ざり、農業用水やその他の目的に使用できなくなってしまいます。
これを避けるためには適切な地下水利用を行うことが大切ですが、まずは塩水化の状況を詳しく調べ、地下で起こっている現象を理解しなければなりません。塩水化の現地調査の方法と、現象を理解するための数値解析について研究しています。
・衛星画像とニューラルネットワークによる降雨量推定
川の流量や洪水の規模を推定するためには様々なデータが必要ですが、それらの中でも降雨量は非常に重要です。しかし、雨量は場所によってかなり異なり、また特に発展途上国では雨量計の数が限られているため、十分なデータを得ることができません。
そこでバングラデシュを対象にして、気象衛星ひまわりが撮影した画像から、ニューラルネットワークを使って雨量を推定する方法について研究しました。雨が降っているのかいないのか、降っているならどれくらいの量なのか、という形に推定を2段階に分けて、推定精度が上がるように工夫しました。
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